作図の精度について

 作図に使われる図形、例えば直線の精度がどの程度になるかを見ておきます。

 「コンピュータを使っているから、いくらでも精度は上げられる。」と考える人もいると思います。 ある意味で、YESです。でも、処理速度や、出力先の都合で、余り精度を上げることはできません。

 作業対象はパソコンで、計算処理能力はあきれるほど高速です。 出力先はモニタ画面やプリンタです。 これらの出力先は、絵(や字)を作るための画素を持っていて、これを使って表現しています。

 画素のことをピクセルと呼び、これが細かいほど画質がよくなることは、よく知られています。 例えば、デジカメでは、200万あれば間に合うとか、300万以上欲しいとか言われます。 筆者が普段撮影しているサイズが、1600*1200だから、192万画素です。

 モニタの基本は、800*600位でしょうか ? この場合で、48万画素になります。 1024*768なら78.6万画素です。 ここまででも、直線や長方形のサイズをピクセルで説明しています。 改めて見直しておきましょう。

 上図の左が直線です。長さがいずれも、100ピクセルです。線幅は、1ピクセルのものを準備し、上から1本、2本、・・・5本くっつけて並べました。この幅が、1,2,・・・5ピクセルです。 お手持ちのモニタのサイズや性能によって、見え方は違いますが、このサイズがピクセルです。

 右は、1辺が25ピクセルの正方形を4個並べたものです。線の太さを、1,2,3ピクセルにしたものを並べました。 この場合の線の太さは、図形に被さりながら太くなります。線の太さが1ピクセル増えれば、正方形の白抜き部分は、その1ピクセル分狭くなります。

 「画素」という言葉からお解かりと思いますが、これが、コンピュータ画像の素領域に当たります。これより細かい点は扱いません。上に描いた線は、水平線と垂直線ばかりなので、これで十分のように見えますが、斜線を描くと、細かいことを気にする人にはパニックにもなります。

 下図の上段は、線幅を1ピクセルで描いた斜線です。左が、上記の正方形2つ分の対角線で、右が、4つ分の対角線です。それぞれそれらしく描けていますが、細かいところを見ると凄いギザ線です。

 下段は、上段の線をコピーし、ペイントへ貼り付けてから、変形 「伸縮と傾き」のパネルで、伸縮比率を、縦横とも200%(2倍)に拡大したものです。 左側は、線幅2長さ4の線を対角位置で繋いでいったものになっており、右側は同様で、2*8の線を並べたものです。 1本の線幅1の直線は(水平線と垂直線は例外ですが)、必ず、線幅1の水平線(又は、垂直線)を、順次対角位置で繋いだものになっているようです。

 線画の精度を説明する積りでしたが、こんな具合で、精度良いものを作ろうと考えても、0.5ピクセル以内の誤差の塊になっているわけです。 楕円(含む、円)を描く場合も、三角関数の計算を駆使しながら、作業してくれます。

 次の図は、1辺が25ピクセルの正方形の対角線を走らせて作った円と、1辺26ピクセルの正方形の場合を並べてみました。但し、今度は、ペイント上で3倍に拡大しています。 どちらもかなりギザギザですね。

 下段の方の色の着いたものは、改めて1辺75ピクセルの正方形から作った空色の円と、76ピクセルから作った黄緑の円をペイントの上で重ねました。 小さく作って拡大すれば、誤差が大きくなるのはご存知の通りです。 色つきの内外に飛び出した部分は、気持ちの上では削除したい部分です。

 最大誤差0.5ピクセルの図形を、3倍に拡大すれば、誤差も1.5ピクセルになり、大きくはみ出すわけです。 もっと気の利いた説明ができればよかったのですが、この辺で勘弁して頂きます。

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