頂点にスナップ

 CADが現状のように広く使われるようになったのは、この「頂点にスナップ」の機能のお陰でしょう。 作図作業中に、既存の頂点の位置から線を引こうとすると、マウスを近付けてクリックしただけで始点が目的の頂点へ引き寄せられます。 まるで、作業者の意思とは関係ないみたいに勝手にやってくれます。

 製図の場合、特に、下図作りがうまいと、ほとんどの作業が鼻歌交じりでもできるように簡素化されます。 そのための機能が、「頂点にスナップ」です。 この機能は作業の内容によっては、その特徴を上手に使うことを覚えないと、「俺の言うことをちっとも聞いてくれない !」なんていうことにもなりかねません。

 でも、上手に使えば、こんな便利な道具はありません。何とか使いこなしましょう。

 先ず、ここで言う「頂点」とは、長方形や連続直線の頂点に当たるものですが、個々の図形を構成している点全部がソウだと思えばいいでしょう。 点も、直線の端点も「スナップの対象となる頂点」として扱います。

 既存の図形の頂点(A点)から、約8ピクセル以内にある点をクリックすると、近傍のA点をクリックしたものとして処理するような設定になっています。 ところで、2つ以上の点が、同じ辺りに集まっている場合は、どちらにスナップするのでしょう ? その確認方法は、実際に、クリックするのが早いですが。

 前のページでも書きましたが、2つ以上の点が、お互いのスナップ領域内にある場合は、図形の整理番号が小さいものほど優先処理されます。 作図オプションの「順序」で、入れ替え作業をしていなければ、最初に作ったものが最優先です。 

 強制的にある図形の頂点へスナップさせるためには、その図形を選択して、作図オプションの「順序」で、「最下面に移動(B)」を使って入れ替え作業をすればよいことになります。 他の図形の線で隠された図形が、強力な吸引力を持ち、後から被せるように描かれた図形は、目立っていても吸引力 0 なんてこともあります。

 ところで、上の図で「頂点にスナップする」にチェックが入っています。 各種の作図ツールを指定すると、必ずその時点でこのチェックがセットされます。 「この作業はスナップが邪魔になる」のいう場合には、作図オプションを呼んで、「頂点にスナップする」をクリックし、チェックを外してから本番の作図作業に入ります。

 この作業の後、次の作図ツール類を使うまでは、スナップが利きません。 又、スナップを無効にして連続直線や曲線で閉回路を作る作業するときは、始点と終点を 1ピクセルの狂いも無くクリックする必要があります。 作図前に、「始点」用として、水平線と垂直線で作った交点を準備し、その交点へ、丁寧に十字カーソルを合わせてクリックするといいでしょう。勿論、終点の作業も同様です。

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