3Dのグラフを作る_その3

 3Dの関数グラフにも、パラメータ型があります。 独立変数が2つあれば、面グラフになります。 独立変数が、1つだけという特例的なものがあります。その場合、「リニアスタイル」と呼ばれ、線グラフになります。

 先ずは、独立変数が2つある場合です。 独立変数は、t と u の2つとしておきます。従属変数として、グラフ作成に使う式は3つ必要で、ここでは x, y, z の3つとしておきます。引数を明示した関数型の式が要求されます。 x(t,u)=・・・, y(t,u)=・・・, z(t,u)=・・・ のように3つ組みで準備します。

 最初は、球(面)を描いてみましょう。 実は、周期関数である cos と sin を使うパラメータ型グラフで、最も簡単なグラフといえますが、初めて3Dのグラフを描く人には、厄介な問題が絡んできます。 目標は、次のようなグラフです。

 2Dで、円(周)を描くグラフは、次のようなものでした。 独立変数 t の定義域(パラメータの範囲)は、-π〜πで2πの幅で丁度円周が完結します。

 この2Dの式を使って、3Dの座標の中で、回転させれば球面ができます。 上記の x-y平面を x-z平面へ移し、y=0上に原点中心の円を作り、z軸を中心として回転体を作ります。
 余計な話ですが、極彩色のグラフを、表面と裏面を別々の色になるようにしてみました。 面の配色も、y軸方向へグラデーションをかけました。

-π≦t≦π
-π≦u≦π
-π≦t≦π
-π/2≦u≦π/2

 左側のグラフは、スイカのお化けみたいですね。円周(円板)を1回転させると、球面が2重になぞられることになります。2重になぞった面が、1層目と2層目がまったく同じ色をしていれば、何事も無かったように見えます。 ところが今回は、わざわざ面の配色を、このような異常現象が目立つものにしたわけです。

 3Dのグラフでは、面グラフを構成する微小セルを、カメラからの距離が遠い順に投影面へ貼りつけます。 遠景によって近景が隠されてはいけないからです。上の例のような、計算上ほぼ同じ位置を占める2つの面は、そのときの計算結果の影響で、1層目と2層目のどちらが他方を上書きするかは、結果を見ないと分りません。 この対策としては、「2層描き」にならないようにするのが、最も良い方法と思われます。

 その証拠といいますか、円周を半回転したところで止めると、右のグラフのように、段だら模様はなくなりました。 でも、配色を見ると、2つの半球が異質のものを継ぎ足した感じです。 一方が表(オモテ)面で、他方が裏(ウラ)面です。 数学的な演算の結果では、このようになるのです。


 このあたりで、この話題に関連して、3Dの中の線グラフを見てみましょう。独立変数はただ1つ t だけです。 t の定義域の幅が、2πであれば、円周が完成します。 それは、定義域の幅を半分にした場合に、丁度、円周の半分になることから分ります。 円を斜め方向から見ると、楕円になることもこのグラフから分ります。

-π≦t≦π -π/2≦t≦π/2

 ここまで来れば、目標とした球面を作る作業は簡単です。 これらの線グラフは、u が未定義で u=0 の面グラフと解釈できます。


 面グラフへ戻して、少しずつ第2変数uの数値を増やしていきます。

-0.5≦u≦0.5 -1≦u≦1 -1.5≦u≦1.5

 上のグラフで、黄色や緑の面は、球面の裏側です。 今度は慎重に u の定義幅を徐々に増やしてみました。 上の半円弧(-π/2≦t≦π/2)を1回転させれば、丁度球になります。

-3≦u≦3 -π≦u≦π

 ついでに、t がより小さい場合(-1.5≦t≦1.5)もみておきましょう。

-3≦u≦3 -π≦u≦π

 3Dのグラフは、切込みを入れて内側が見えるようにすると、結構面白いものになります。 このページの最後に、冒頭に掲げたグラフの周辺(-3≦t≦3)をご覧に入れます。

-π/2≦u≦π/2 -1.5≦u≦1.5

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